当サイトは、海外在住者に向けて情報を発信しています。

F1ドライバー コラム

【F1】マーシャルとはどんな仕事?真っ二つになった噂の真相を調査

皆さんはF1のサポートスタッフにも色々な種類があることをご存知ですか?特にF1マーシャルのような聴きなれない職業は、名前から仕事内容を想像することも難しいですよね。そこでこの記事では、F1のマーシャルは具体的にどんな仕事をしているのかを紹介しています。一部ではレース中にマシンとマーシャルが衝突して、体真っ二つになったとの噂もあるので、本当に死亡事故が遭ったのかその真実も調査してみました。

F1のマーシャルってどんな仕事?

F1のマーシャルとは、市民プールの監視員と同じような仕事をレースでやるという説明が一番分かりやすいと思います。サーキットに行くとコース脇に小さい盆踊りの櫓のようなものが立っていると思いますが、あれをマーシャルがコースを観察するために登るマーシャルポストと呼んでいます。つまり市民プールで救助隊の人が座っている椅子と同じようなものです。ですが、マーシャルには色々な種類が存在し、それぞれ以下の見出しで紹介するように担当に分かれて仕事をしています。

トラックサイドマーシャルの仕事とは

トラックサイドマーシャルとは、クラッシュした車を安全なところに移動させたり、コースに散らばった部品などのゴミを回収する役目を担っています。必要に合わせて他のマーシャルに連絡を取り、セーフティカーの導入などを検討するので、コースに出ることもある点を加味すればマーシャルの中でも危険度の高い仕事と言えます。特に車が炎上したときは、初期消火を行いいち早くコースの安全を確保することが求められるので、的確な状況判断のできる人ができる仕事と言えます。

フラッグマーシャルの仕事とは

フラッグマーシャルとは、ライトや旗でコースの状態をドライバー達に伝える仕事を担っています。トラックサイドマーシャルの撤去作業の進捗を確認してから適切な信号を出す必要があるため、高い状況判断能力が求められてくる仕事でもあります。なお、それぞれの旗の意味は以下の表をご覧になってください。意外と種類が多く、あまり使われていない旗の意味も理解しておく必要があるため、マーシャルを目指している人は是非参考にしておきましょう。

旗の色意味
グリーンフラッグレースが開始され追い越しが許可される
イエローフラッグコースのコンディションが危険だから追い越し禁止
ダブルイエローフラッグ車が立往生したときに出す旗でただのイエローフラッグよりも停車の意味が強い
レッドフラッグレース即時中断
ブルーフラッグ後方から速い車がくるから避けろ
ブラックフラッグかざされたマシンは直ちにレースを終了しなければならない
ホワイトフラッグ低速車両がいるから注意しろ
チェッカーフラッグ1位確定
オレンジボールドライバーに警告を与え繰り返すと失格
赤と黄色の縞模様コース上にオイルや瓦礫が散乱していることを知らせる

ピットマーシャルの仕事

ピットマーシャルとは、正しい作業でピットが行われているか確認するマーシャルです。ピット違反が報告された場合は、オフィシャルによる検証が行われ正式に映像が確認できたらペナルティが課されます。また、万が一火災が発生したときは消火や救助活動を行うため、トラックサイドマーシャルと同じくらいの危険性とフラッグマーシャルでも求められる対応力が求められる難しいマーシャルです。ちなみにピットレーンはファストレーンとインナーレーンに分かれており、ピット作業はインナーレーンで行う必要があり、ファストレーンを走るときは時速80㎞以内で走行することがルールで決められています。ちなみに速度超過は警察の速度違反よりも厳しいとされ、角田裕毅が2021年に2キロオーバーで罰金を課されたことがあります。また、ルール通りにピット作業が行われたとしても、マシンが出るときに安全確認を怠ってファストレーンで走行中のマシンを妨害してしまった場合はグリッド降格という重い罰が課されます。

技術マーシャルの仕事って何?

技術マーシャルとは、レース前後に行う車とドライバーの検査を担当するマーシャルのことです。ちなみに皆さんはレースを終えたマシンがわざわざタイヤカスの溜まっている場所を走行するところを見たことはありませんか?実はこれ重要な作業で、F1ではドライバーの体重と車の重さの合計値が厳密に決められており、規定値に満たないときは表彰台に登ることなく失格になる場合があります。そこで、レースを終えたマシンは少しでもタイヤカスを拾って車を重くして、レギュレーション違反で失格にならないようにしています。ちなみに2026年現在のF1レーサーの体重制限は、装備品込みで82㎏です。レースが終わってドライバーがすぐに体重計に乗るのは、この体重制限を守っているかを確認するためで、違反が無いかを技術マーシャルがきっちり確認しています。なお、レーシングドライバー なるにはこの体重条件を満たさなければならないのかという訳ではなく、装備品やシートに重りを入れて体重条件を満たせばF1ドライバーになることができます。

スタートラインマーシャルとは

スタートラインマーシャルとは、レース開始前にマシンがグリッドについてフライングしていないかを確認するためのマーシャルです。エンジントラブルなどでマシンが走行不可能になったときはイエローフラッグを振って周囲に知らせます。ちなみにF1におけるフライングとは、スタートシグナルが消える前にマシンが動いてしまうことを指します。つまり、グリッドの中にいれば良い訳ではなく、少しでも動いたらフライングになるため、最初はアクセルを踏まずに待機する必要があります。

マーシャルが真っ二つになった噂とは

過去にマシンとマーシャルが衝突して、体が真っ二つになったような事故は存在しません。ただし、マーシャルとマシンの事故は度々発生しており、中にはクラッシュしたマシンの撤去作業中にクレーン車に叱れて死亡したという事故も存在します。筆者が一番悲惨な事故だと思ったのは、2013年カナダGPで発生したマーシャルの死亡事故です。この事故では、クラッシュした車をマーシャルが片付けていたところ、クレーン車の死角にマーシャルが入ってしまい、移動したと判断したクレーンの運転手が、マーシャルを轢き殺してしまったんです。マニュアルではクレーンの近くにマーシャルが近づいてはならないという規定になっており、クレーンを移動するときも安全確認をする必要がありました。それら全てを守らなかった結果が招いた死亡事故だったので、クレーンを担当したスタッフや事故を起こしたドライバーには罰金が科されています。

まとめ

F1のマーシャルとは各々役目や働く場所の違うマーシャルがいくつも存在し、ルールも厳密に決められています。したがって、普段から赤信号無視しているような人がマーシャルになると、十中八九事故を起こしてレースを台無しにしてしまう可能性があります。もし皆さんもマーシャルを目指そうとしているなら、今以上に交通ルールを守り、安全な走行を心がけるようにしましょう。また、目指していない人も、これだけのプロが事故を起こしているんだから、自分はもっと気を付けないとと気を引き締めて車の運転をすることを強くおすすめします。

-F1ドライバー, コラム