F1レースの死亡事故は多くのレースファンを悲しませる要因になっていますが、レース界のアイドル的レーサーが亡くなられたときは、この世の地獄ともいうべき雰囲気がサーキットを覆いつくします。そんな事故の中でもアイドルトンセナの事故は当時のレースを知らない人でも改めて事故動画を見てしまうほど有名な事件です。そこでこの記事ではアイドルトンセナがなぜ死亡してしまったのか、事故の原因なども合わせて紹介しています。遺品が大事に保存されているとの情報もあるので、少しでも悲しい気持ちをこの記事で共有できればと思います。
アイルトンセナの事故について
アイルトンセナの事故の原因は、ステアリングシャフトの破損と公式に発表されています。ステアリングシャフトとは、ハンドルの動きを車のタイヤに伝えるための部品で、破損してしまうとハンドル操作をしても車は曲がらなくなってしまいます。恐らく高速セクションのタンブレロ・コーナーに入る直後、ハンドルきったことでステアリングシャフトに過度の負荷がかかり破損、コントロールを失ったアイルトンセナの車は壁に激突して死亡したものと思われます。
事故前のアイルトンセナの発言
筆者の個人的な見解ですが、アイルトンセナは自殺に近い形で死亡してしまったと考えています。その理由は、アイルトンセナが事故前のレースで2回連続もリタイアを記録しているからです。さらにアイルトンセナは事故前の発言で、同僚のドライバー仲間に空力性能が最悪で運転できたものではないと愚痴を零していたらしいんです。つまりアイルトンセナはセッティングが万全ではない車と分かっていたにも関わらず走っており、それが最悪の結果を招いてしまったわけです。考え方によってはメカニックの過失と捉えることもできますが、噂ではアイルトンセナが事故前に無茶なセッティングを要求したとの情報もあります。日本のインディ500 佐藤琢磨の事例でも、ドライバーが違反行為をした場合は降格処分が下っています。真実は不明ですが、いずれにしても事故がいつ起きるか分からない車にアイルトンセナは乗っていたことだけは確かです。
事故当時乗っていた車のスペックとは
アイルトンセナが事故当時に乗っていた車は、ウィリアムズ・FW16です。ウィリアムズ・FW16はアイルトンセナが事故死した年に初めて導入された車で、簡単に説明すると空気の流れを快適にするためにパーツの一部を従来の車より大きく変更しているマシンです。この変更は間に合わせだったのではと言われています。その理由は、前年度の1993年に急遽マシンのレギュレーションが変更されたことで、ウィリアムズマシンの速さの秘訣だったマシンのパーツが使えなくなってしまったからです。しかもそのパーツはアクティブサスペンションという電子制御で車の姿勢を変えられるタイプだったので、アイルトンセナも手動で車の姿勢制御をすることに慣れるのが大変だったのではと思われます。さらに納車が遅かったので調整不足のままレースに出場していたことが分かっています。
ステアリングシャフトの耐久性を考察
公式データには存在しませんが、ウィリアムズ・FW16のステアリングシャフトに使われていた素材は、カーボンやアルミなど耐久性の高いタイプだったと考えられます。そんな素材がいくら高速コーナーだからといって、簡単に折れるものでしょうか?他にも事故が発生していたコースとはいえ、多くの車は問題なくレースを走っています。アイルトンセナなど少数のレーサーのみが事故を起こすということは、車になんらかの問題があったと考えるべきでしょう。
アイルトンセナの精神状態について
1994年のサンマリノグランプリは予選から事故の連続で、アイルトンセナも精神的に不安定な状況だったことが分かっています。特にローランド・ラッツェンバーガーの死亡事故はアイルトンセナの心を大きく揺さぶり、恋人に号泣しながら相談していたことが後の調査で分かっています。レース仲間を失った精神状態のドライバーが時速300㎞の世界でドライブすることがどれほど危険なことなのか素人には分かりません。しかし、日本でもお葬式で遺体を運ぶときの霊柩車は親族ではなく、安全面の観点から葬儀屋の関係者に依頼して運転してもらうのが通例になっています。それを考えれば前日に親しいレース仲間を亡くしたドライバーを走らせるのは無茶だったのではないでしょうか。
事故直前のコースコンディションを考察
以下に紹介する動画は、アイルトンセナが事故を起こした直前の映像で、僅かながら路面のコンディションを見ることができます。動画を視聴した感じではコースコンディションに異常は見られませんでした。しかし事故が起こる直前に、アイルトンセナの車体の下から火花のようなものが出ています。エンジンの点火による火花かもしれないので断定は出来ません。ですが、恐らく折れたステアリングシャフトが別のパーツを擦るように当たり、火花が発生した可能性があるので、事故に何らかの影響を及ぼしているのではと個人的には思っています。
アイルトンセナの直接の死因は何?
アイルトンセナが事故で死亡した直接の原因は、飛び散ったパーツによる頭蓋骨破損からの脳死です。破損した場所を分かりやすく説明すると、クレヨンしんちゃんで野原みさえがぐりぐり攻撃する場所あたりの頭蓋骨がのこぎりで切られたように破損しています。しかも後頭部あたりまでパーツが食い込んでいたらしく、事故直後のアイルトンセナは既に意識が無く、付近には大量の血が飛び散っていたので、ほとんど即死レベルのダメージを負ったのではと考えられています。
遺品のヘルメットはどこにあるの?
アイルトンセナが事故のときに装着していたヘルメットは、2025年4月に競売に掛けられていたことが世界的競売会社RMサザビーズの調べで分かっています。落札価格は日本円にして1億3700万円というところまで分かっていますが落札者は公開されていません。しかし、アイルトンセナの遺品は事故当時のヘルメットだけでなく、過去のレースで装着していたものも落札されている経歴があります。したがって、熱狂的なファンが大事に保管しているものと思われます。
まとめ
アイルトンセナの事故は、レースファンなら一度は聞いたことのある有名な事故で、発生当時は原因が分かっていませんでした。しかし、技術力が進歩した現代で解明や考察できることも多く、公式解答としてはステアリングシャフトの破損という形で決着を迎えています。それでも事故には不自然な箇所が多く、アイルトンセナが事故直前にマシンの不調を訴えていたことから、事故は起こるべくして起きたものと筆者は予想しています。