車を運転する楽しみは大人にならないと本格的に味わえないので、大人になってからレーシングドライバーになりたいと思う人もいるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、どのようにしてレーシングドライバーになれるのかを紹介しています。大人になってからレーシングドライバーを目指したいと感じるようになった人もぜひご覧になってください。
レーシングドライバーになるために必要な資金
レーシングドライバーになるには、レースをするためのライセンスとチームスタッフとレースの出場条件に合致した車も合わせて最低1000万円以上の資金が必要です。必要なものが各々いくらなのかを各見出しで紹介しているのでご覧ください。
なお、レーシングライセンスは事前に自動車免許を持っていないと取得できない点に注意してください。
国内B級ライセンスの仕様と取得条件
国内B級ライセンスは、取得するとJAF公認競技の車が1台ずつ走るレースに参加できます。つまりF1レースやスーパーGTのように、車が複数台同時に走るレースには参加できません。出場できるのはダートレースやスピードレースのみに限定されます。ただしレーシングドライバーとして経験を積むには、国内B級ライセンスが必要になります。必要な予算は、Bライセンス講習会設立依頼料として1回あたり3600円と4100円の受講料が必要です。
なお、レース経験がある人はオートテストと呼ばれる実技試験に参加することで国内B級ライセンスの申請許可を貰うこともできます。
国内A級ライセンスを取得するには
国内A級ライセンスを取得するには、6900円の講習会解説申請料と最大25100円の講習会受講料が必要です。ただし講習会に参加するには、講習会受講前24か月以内にダートやラリーなどのレースに1回以上出場して完走する必要があります。また、走行したサーキット毎に決められたスポーツ走行を25分以上継続し、その証明を受けられる人でなければ国内A級ライセンスの講習会に参加できません。また、講習会に参加してもテストに合格しないと国内A級ライセンスは取得できない仕様です。
つまり、国内B級ライセンスを取得してレース経験を積まないと国内A級ライセンスは取得できないことになります。なお、合格すればスーパーGTのように車が同時に複数台走るレースに参加できるので、レーシングドライバーになりたい人はまず国内A級ライセンスの取得を目指しましょう。
国際CRライセンスはいくらかかる?
国際CRライセンスは申請料だけなら10500円で済みます。ただし、取得するには国内A級ライセンスが必要で、取得申請前24か月以内にJAF公認競技に10回以上出場し、そのうち5回以上ラリーレースかヒルクライムの競技レースに参加している必要があります。
そこまで本格的に取り組んで出場できるレースは、国際モータースポーツで車が1台ずつ出走するレースのみで、F1レースなど車が複数台出走するレースにでるにはさらに上位のライセンスが必要です。
国際CCライセンスについて
国際CCライセンスは海外のトラック選手権やオートクロスのレーシングドライバーとして出場するためのライセンスで、取得には10500円の必要が必要です。また、取得申請の条件として以下の表に示すレースに規定回数以上の出場が必要で、出場してもリタイアやコースミスなどがあると出場経験とみなされないところに注意が必要です。つまり、下手な運転でレースに出場しても出場経験にはならないので、上手く運転しろということなんでしょう。
国際B級ライセンス以上の取得費用
国際B級以上のライセンスを取得するには最低12700円が必要で、スーパーライセンスと呼ばれるレーシングドライバーとして全てのレースに出場できるライセンスは200万円近くの申請料が必要です。国際B級ライセンスを取得していると、日本のスーパーフォーミュラ選手権やスーパーGTに出場できるようになります。ただし取得するにはJAF公認レースで5回以上の出場実績が必要で、前年度に取得条件を満たせなかった場合は翌年のライセンス継続更新ができないという厳しい条件があります。また、取得しても乗れる車のパワーウェイトレシオが1~2kg/hp間のものに限定されます。
パワーウェイトレシオとは車両の加速性能を数値で表したもので、数値が小さいほど加速力に優れており、F1カーなどは0.5から0.6なので国際B級ライセンスでは乗ることができません。対して国際A級ライセンスはフォーミュラーカーに乗れる上に、スーパーライセンスを取得しているとF1のレースにも出場可能です。
レーシングカーとチームスタッフの費用
国内B級ライセンスで出走するための車なら、300万円から500万円ほどで購入可能ですが、チームスタッフや消耗した部品の交換料金を含めると最低でも1000万円以上の費用が必要と言われています。さらに国際B級ライセンス以上のレースに出場するための車は、1台当たり3000万円から4000万円の費用が必要で、交換パーツも合わせると年間1億円近くかかる場合もあります。さらに出場できる車のレギュレーションが変更された場合は、それらに対応したマシン開発も必要なので、個人で準備できる範囲を超えていると言えます。
ちなみにスーパーGTに出場するための車が凡そ5000万円から6000万円、F1で出場するための車が1台当たり10億円程度と言われており、交換パーツを含めると20億円から50億円ほどかかることが分かっています。
大人になってからレーシングドライバーになれる可能性
レーシングドライバーは大人になってからでも可能です。子供の頃からカートレースに出場していれば、早い段階から本格的なレースに出走できる可能性が高くなりますが、やはりトレーニングを積んでGに耐えられる肉体作りをする必要があるため、むしろ大人になってからのほうがなりやすいです。実際に内田優大という選手は50歳でレーシングドライバーのライセンスを取得しレースに出場しており、2024年にはフェラーリチャレンジ ジャパンカップに出場した還暦ドライバーとして有名です。
ただし、車やチームスタッフを用意する財力が必要なので、ドライバーを募集しているチームに応募するかお金持ちでなければレーシングドライバーになるのは難しいでしょう。
まとめ
レーシングドライバーになるには、運転免許の他に専用のライセンスを取得する必要があり、一定の費用と高い運転技術も必要です。また、出走させる車は一番安くても300万円以上し、スーパーGTなどテレビで見るようなレースに出場するには高級マンション1つ分の費用が必要になることもあります。したがって、通常はレーシングチームのドライバーとしてスカウトされる方法が一番の近道です。ただし競技に参加できる車の数は限られているので、まずはB級ライセンスなどでレース経験を積んで上位のレースに出場できる技術を身に着ける方法をおすすめします。