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コラム

ニュルブルクリンク24時間レースが過酷な理由は?料金を支払えば走行可能?

毎年5月から6月になると、レース界はニュルブルクリンク24時間レースの話で持ち切りになりますが、レースにあまり詳しくない人は何が凄いのか分からない人も多いと思います。

そこでこの記事では、レース界でもトップを争うくらい過酷と言われているニュルブルクリンク24時間レースの概要について紹介しています。参加する方法も紹介しているので、もし車好きで参加に興味のある人は自分が条件を満たせるかどうかチャレンジしてみるのもおすすめします。

ニュルブルクリンク24時間レースが過酷な理由

ニュルブルクリンク24時間レースが過酷と言われる理由は、コース1周が非常に長くそれを24時間走り続けなければならないからです。例えば毎年フォーミュラーカーレースの第1戦で使われているイタリアGPは1周当たり5.793㎞ですが、ニュルブルクリンク24時間レースで使われるコースは26㎞近くあります。

しかも走るコースはオフロードに近い路面をしているセクションが20㎞以上もあり、仮に通常の車がそのセクションを時速100㎞以上で1周走った場合、日本の公道なら一度修理に出さないと道路交通法違反で捕まる可能性があると言われるほど車がボロボロになります。

だったらゆっくり走って完走すればと考える人もいるかと思いますが、もちろんその通りです。したがって、制限時間の24時間が近づくと完走を目指すために車へのダメージを減らしながら走り、順位による栄冠と完走したときの名誉の両方を手に入れようとするチームも出てきます。

それではコースのどこが過酷なのか次の見出しでセクション毎に紹介していきましょう。

CaracciolaKarussell

CaracciolaKarussellとはニュルブルクリンク24時間レースの中で一番有名なヘアピンコーナーのことです。排水溝などにコンクリートを埋めてコースを作っているため、タイムを稼げるイン側のラインはコースが凸凹しておりタイヤも車体もダメージを受けやすいセクションとして有名になっています。

また、コースの両脇は林になっていて、ヘアピンを入る前から全体を見渡すことができないため、事故が起きた場合は玉突き事故になる危険性もありドライバーは慎重に走行する傾向にあります。

連続ウェーブコース

ニュルブルクリンク24時間レースの中でドライバーが一番疲弊してしまうのが、Wippermannから始まる連続のウェーブコースです。しかも一定の間隔でウェーブ上になっているわけではなく、Eschbachは高速で曲がれるような緩やかなカーブで、Brunnchennはヘアピンのようなカーブ、Eiskurveは90度くらいの直角カーブになっています。この連続カーブを高速で走り抜けると、ドライバーは首を思いっきり何秒間か振っているような感覚になり、訓練を積んでいないとほぼ間違いなく気絶するでしょう。

反対にプロレーサーの間ではこのセクションを走ることが幸せだと感じる人も多く、マシンのテスト走行にわざわざニュルブルクリンクサーキットに行くチームも沢山あります。また、マシンの耐久性をテストする意味でもニュルブルクリンクは最適とされ、オフシーズンでも多くのマシンが走っています。

一番スピードの出るストレートはどこ?

大小合わせると170近くもコーナーのあるニュルブルクリンク24時間レースですが、DottingerHoheというストレートセクションもあります。ただしDottingerHoheは、連続ウェーブセクションの後に配置されているので、ウェーブセクションで意識を保ちつつ、DottingerHoheでアクセルを全開にする必要があります。感覚的な例を挙げるとするならば、スイカ割りのときにバットにおでこを充ててグルグル回り、さらに他の人に頭を揺すられた状態で砂浜を全力ダッシュしたような感覚でしょう。

具体的にどんな感覚か気になる人は、加速度訓練機と呼ばれるGを体験する装置があるので、リハビリステーションや軍の体験コースで乗ってみることをおすすめします。筆者も体験しましたが、数分と立たずに気持ち悪くなるので覚悟したほうがいいですよ。

速度制限が出るほどに危険なセクションがある?

ニュルブルクリンク24時間レースの中で速度制限があるセクションがあるのは事実です。しかし、2016年に改修されており、現在は速度を出しても安全に走行できるようになっています。Flugplatzという該当セクションは、改修前に高速で走ると車がスキージャンプのような挙動をしてしまうため、最悪横にある森にマシンが突撃して深刻な事故を引き起こす可能性がありました。

しかし、現在はオーバーテイクできるほどに速度を出してもマシンが危険な挙動になることはないので、安心して観戦することが可能です。

ブレーキ勝負が白熱するセクションとは

Bergwerkはニュルブルクリンク24時間レースの中で、最もオーバーテイクが発生するセクションです。オーバルコースのようなコーナーをしている上に、セクション前とセクション後に速度を出しやすいストレート気味のセクションがあります。そのため、如何にしてブレーキを我慢しながら走り抜けるかが勝負の分かれ目になっています。また周囲にある木々がコース内に影を落とすまで伸びているので、路面のコンディションが分かりづらく、雨が降っているといはオーバーテイクを控えて慎重に走行する判断が必要です。

ニュルブルクリンクのコースは一般人も走行可能なの?

ニュルブルクリンク24時間レースで使うコースは、料金さえ払えば走行可能です。料金プランは1周当たり27ユーロで、2025年10月現在の為替で日本円に換算すると5000円くらいです。また、旅行会社の中にはプロのドライバーの運転を体験するプランや自分の車で走行できるプランを提供している場合があります。料金は日本円で6万円から7万円と高額ですが、フォーミュラーカーを運転できるプランもあるので、F1レースを疑似的に体験してみたい人はぜひ予約をおすすめします。

なお、ニュルブルクリンク24時間レースに参加することもできますが、厳しいテストに合格する必要がある上に、英語の筆記試験は1問も間違えてはいけないため、高い英語力が必要になってきます。

まとめ

ニュルブルクリンク24時間レースは、マシンとドライバーをこれでもかと虐めるような過酷なコースになっていますが、完走するだけでも名誉なことをされています。中には一般人なら走行するだけで吐き気を催すような連続カーブがある上に、凸凹の多いセクションはドライバーだけでなく車の耐久性も急激に奪っていきます。お金を払えば一般人でも走行することは可能ですが、すごく難しいコースなので、心配な人は旅行会社が提供しているプロドライバーの運転体験コースなどに参加する方法をおすすめします。

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