2017年にアジア人として初めて最高峰である「インディ500」で優勝し、2020年に2度目の制覇を成し遂げた、佐藤琢磨選手。3勝目を目指し現在も戦っている日本人として誇るべき選手ですね。そんな佐藤琢磨選手ですが、そのすごさや生い立ちに注目が集まっています。今回は、インディ500で優勝した佐藤琢磨選手について、調査しました!
佐藤琢磨選手の凄さとは?
インディ500で優勝した佐藤琢磨選手のすごさは、やはりその戦績が挙げられるでしょう。がアメリカンモータースポーツの最高峰と言われる、インディ500は、世界三大レースの一つ。毎年5月末のメモリアルデーに開催され、1周2.5マイルのオーバルコース200周、合計500マイルを走行します。
佐藤琢磨選手は2017年、2020年と2回優勝に輝きました。内閣総理大臣顕彰が授与されるほど、名誉なことなのです。明治44年からあるこのスポーツは、モータースポーツの中でもっとも歴史が長く、開催回数が多いことで知られています。またその規模も世界最大で、1日に集める観客数も30万人以上。30万人を収容できるスポーツというだけでも、世界トップと言えますね。そんな大規模な大会で2度優勝するというのは、どれだけ名誉なことか、想像に難くないでしょう。
3度目の優勝へ
2度目の優勝の際、佐藤琢磨選手は強豪チーム“チップ・ガナッシ”所属のスコット・ディクソン選手と対決。序盤はディクソン選手が首位を走っており、残り43周となった157周目に佐藤琢磨選手がトップに浮上。そのまま11周にわたって首位を守り続けました。
2025年は佐藤琢磨選手にとって、16回目のインディ500への挑戦となります。今年もレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングから参加し、予選では自己ベストの2番手を獲得。決勝レース序盤も首位を走行しており、トップを快走していましたが、ピットストップでのミスにより勝利を逃しました。結果としては9位となったものの、非常に手応えを感じるレースだったと言います。
佐藤琢磨の生い立ち
佐藤琢磨選手は弁護士の父・佐藤和利さん、元舞台女優の母のもとに生まれました。10歳のときに鈴鹿日本GPを父親と観戦し、F1の存在を知ることとなりました。
当時、ロータス・ホンダで走っていたアイルトン・セナ選手に魅了されるも、すぐにはレーシングドライバーを目指さなかったそうです。学生時代は自転車競技にのめり込み、和光高校に直談判で自転車部を創設。高校3年生でインターハイで優勝しています。
このように、レーシングドライバーのとしてのキャリアは、他ドライバーに比べると遅かったようですね。最近は幼少期からレーシングカートを始め、10代後半にはジュニア・フォーミュラに進むというエリートコースを歩むドライバーが多いのです。そんな中、佐藤琢磨選手は早稲田大学人間科学部スポーツ科学科へ特別選抜枠で推薦入学し、自転車部に所属しました。
大学時代にF1の道へ
大学時代も全日本大学対抗選手権で2位入賞するなど、自転車競技を続けていた佐藤琢磨選手。1996年、ホンダと鈴鹿サーキットがフォーミュラカーのレーシングスクールを設立したことを知り、モータースポーツに挑戦することを決意。早稲田大学を休学し、SRS(鈴鹿サーキットレーシングスクール)に入校しました。当時、年齢制限ぎりぎりの19歳で、実績もなく、「口の達者なお兄ちゃん」と舐められていたとか。しかし、天性のセンスで講師陣をしのぐ速さを発揮し、主席で卒業したのです。スピードでは入った直後から誰にも負けなかったのですが、全員の走行データをチェックし、とにかく研究を重ねたそうです。首席で卒業したことでスカラシップを獲得し、無限×童夢プロジェクトから全日本F3選手権デビュー。しかし、シーズン半ばに大学を中退し、渡英。当時、最もレベルが高く、F1への登竜門だったイギリスF3に参戦するためでした。
イギリスF3選手権への参戦
イギリスでは、イギリスF3で失敗すれば先が見えないと考え、まずはF3より格下のジュニア・フォーミュラ「フォーミュラ・ボクスホールJr.」に参戦。その後、2000年と2001年にイギリスF3選手権にフル参戦しています。2001年には日本人初のイギリスF3チャンピオンを獲得し、国際F3レースも制し、F3ドライバーとして世界頂点となりました。
佐藤琢磨の成績
佐藤琢磨選手の主な成績は、以下の通りです。
1998年10月:イギリスのフォーミュラ・オペル・ウィンターシリーズ3位
1999年3月:フォーミュラ・オペル・ユーロカップ イギリス選手権2位
1999年3月:most improved driver of the year受賞
1999年7月:イギリスF3選手権ナショナルクラス3勝
1999年11月20日:マカオGPエリクソン・フォーミュラ・チャレンジ優勝。
2000年3月:イギリスF3選手権 日本人史上最多4勝、シリーズ3位
2000年3月:フランスF3選手権優勝
2001年3月:イギリスF3選手権優勝 日本人初のイギリスF3チャンピオン
2001年7月:F3インターナショナル・インビテーション・チャレンジ優勝
2001年8月:マールボロマスターズF3で優勝
2001年11月18日:マカオGP・F3レースで日本人初優勝
2002年10月13日:日本GPにてF1初入賞(5位)
2003年10月12日:F1日本GP6位入賞、シリーズ18位
2004年4月3日:バーレーンGP予選日本人最高位タイ(5位)
2004年5月8日:スペインGPで予選日本人最高位(3位)
2004年5月29日:ヨーロッパGPで予選日本人最高位(2位)
2004年6月20日:アメリカGPで日本人最高位タイ(3位)
2012年4月29日:インディカー・シリーズ第4戦3位
2012年7月22日:インディカー・シリーズ第11戦エドモントン2位
2013年4月21日:インディカー・シリーズ第3戦ロングビーチ決勝で日本人初優勝
2017年5月29日:インディカー・シリーズ第6戦インディ500決勝で日本人初優勝
2020年8月23日:インディカー・シリーズ第7戦インディ500決勝で2度目の優勝
まとめ
今回は、インディ500で優勝した佐藤琢磨選手について、紹介しました。佐藤琢磨選手はF1の世界に参戦したのが遅かったものの、すぐに頭角を現し、インディ500優勝を2回達成するという快挙を成し遂げています。これは日本人初となる偉業で、今後3度目の優勝にも期待する声があがっています。今後の活躍も楽しみですね!